$n$を平方数ではない自然数とする。 (平方数とはある自然数の2乗で表すことのできる数のことです。) このとき, $n$の平方根$\sqrt{n}$は無理数であることを証明してください。
$\sqrt{n}$が有理数だと仮定して矛盾を導きます。 すると$\sqrt{n}=\frac{a}{b}$となる自然数$a, b$が存在します。 両辺を2乗して, $n = \frac{a^2}{b^2}$を得ます。 これを変形して$a^2= n b^2$を得ます。
ここで, $n$の素因数分解を考えてみます。 $n=p_1^{a_1}p_2^{a_2}\cdots p_k^{a_k}$と素因数分解すると$n$が平方数でないことから少なくとも1つの$a_i$は奇数であることがわかります。 一般性を失うことなく, $a_1$が奇数とします。 つまり, $n$の素因数分解に$p_1$が奇数個含まれているということです。
さて, 先ほど得た$a^2= n b^2$の両辺の素因数分解を考えてみます。 特に, 両辺に現れる$p_1$に注目します。
右辺の$n$に奇数個の$p_1$が含まれていることをみました。 また,$b^2$には$p_1$は偶数個含まれています。 (ゼロも偶数です。) 合わせると, 右辺には奇数個の$p_1$が含まれていることがわかります。
しかし, 左辺$a^2$は平方数なので$p_1$は偶数個含まれています。 これは左辺と右辺の素因数分解が異なることを示しているので, 素因数分解の一意性により矛盾です。 ゆえに, $n$が平方数でない場合には$\sqrt{n}$は無理数であることが証明されました。