自然数$n$で$n^{10}+1$の一の位の数が$0$であるようなものをすべて求めてください。
証明を2つ紹介します。 2つ目の証明はフェルマーの小定理を用いた証明です。 テキスト(合同式の定義と基本的性質)ではまだ紹介していませんが, 今度登場予定です。
一の位が$0$という条件は$10$で割り切れると同値です。 そこで$n^{10}+1$が$10$で割り切れるような自然数$n$を決定します。 つまり$n^{10}+1 \equiv 0 \pmod{10}$となる$n$を求めます。
$n$を合同式$n^{10}+1 \equiv 0 \pmod{10}$を満たす自然数とします。 整数の除算を用いると$n=10q+r$と$0\leq r < 10$をみたす整数$q, r$が存在します。 すると \[n = 10 q + r \equiv r \pmod{10}\] なので \[n^{10}+1 \equiv r^{10} +1 \pmod{10}\] となります。
$n^{10}+1 \equiv 0 \pmod{10}$となるには \[r^{10}+1\equiv 0 \pmod{10} \tag{*}\] となることが必要十分であることが従います。 さらに後者の式から, $r$が奇数である必要があることがわかります。
$r=1, 3, 5, 7, 9$の場合をそれぞれ確かめてみます。
$r=1$の場合には$r^{10} +1 \equiv 2 \not \equiv 0 \pmod{10}$より満たしません。
$r=3$の場合を考えます。 このとき, $3^2\equiv 9 \equiv -1 \pmod {10}$の両辺を二乗して \[3^4 \equiv 1 \pmod{10}\] を得ます。 よって \[3^{10} \equiv 3^4\cdot 3^4\cdot 3^2 \equiv 1\cdot 1\cdot -1 \equiv -1 \pmod{10}\] であるので$3^{10}+1\equiv 0 \pmod{10}$が成立しています。
次に$r=5$の場合ですが, この場合には$r^{10} \equiv 5 \pmod{10}$であるから式(*)を満たしません。 ($5$のべき乗の一の位は常に$5$であることからすぐにわかります。)
次は$r=7$の場合を考えます。 このとき$7^2\equiv 49 \equiv -1 \pmod{10}$となり, これを二乗すると \[7^4 \equiv 1 \pmod{10}\] を得ます。 これらから \[7^{10} = 7^4\cdot 7^4\cdot 7^2 \equiv 1\cdot 1\cdot -1 \equiv -1 \pmod{10}\] となるので式(*)を満たすことがわかります。
最後に$r=9$の場合を考えます。 この場合$r=9\equiv -1 \pmod{10}$であるので$r^{10} \equiv (-1)^{10} \equiv 1 \pmod{10}$を得ます。 ゆえに式(*)を満たさないことがわかります。
以上より$n^{10}+1 \equiv 0 \pmod{10}$を満たす必要十分な条件は$n=10q+3$または$n=10q+7$ ($q$は任意の整数)と書けることだとわかりました。
一の位が$0$という条件は$10$で割り切れると同値です。 そこで$n^{10}+1$が$10$で割り切れるような自然数$n$を決定します。 つまり$n^{10}+1 \equiv 0 \pmod{10}$となる$n$を求めます。 ここで左辺が偶数でなければいけないことから$n$は奇数であることがわかります。
フェルマーの小定理により$n^5 \equiv n \pmod{5}$を得ます。 両辺を二乗して$n^{10} \equiv n^2 \pmod{5}$となります。 $n$が奇数であるので, ある整数$m$を用いて$n=2m+1$と書きます。
すると \begin{align*} n^{10}+1 &\equiv n^2 + 1\pmod{5}\\ &\equiv (2m+1)^2 + 1 \pmod{5}\\ &\equiv 4m^2+4m+2 \pmod{5} \end{align*} と変形できます。
ここから$n^{10}+1 \equiv 0 \pmod{5}$となるには$2m^2+2m+1 \equiv 0 \pmod{5}$が必要十分です。 この式を満たす$m$を法$5$で求めます。
$m\equiv 0 \pmod 5$のときは$2m^2+2m+1\equiv 1 \pmod{5}$より満たしません。 $m\equiv 1 \pmod 5$のときは \[2m^2+2m+1\equiv 2 + 2 + 1 \equiv 0 \pmod 5\] より満たします。 $m\equiv 2 \pmod 5$のときは \[2m^2+2m+1\equiv 8+4+1 \equiv 3 \pmod{5}\] より満たしません。 $m \equiv 3 \pmod 5$のときは \[2m^2+2m+1\equiv 18 + 6 + 1 \equiv 0 \pmod{5}\] より満たします。 最後に, $m \equiv 4 \pmod 5$のときは \[2m^2+2m+1\equiv 32 + 8 + 1 \equiv 1 \pmod{5}\] となり満たしません。
ゆえに, $m\equiv 1 \pmod 5$または$m\equiv 3$のとき$n^{10}+1 \equiv 0 \pmod{5}$となります。
左辺$n^{10}+1$が偶数であることから, これらの$m$の値のとき$n^{10}+1 \equiv 0 \pmod{10}$も成立していることがわかります。 $m\equiv 1 \pmod 5$のとき$n=2m+1 \equiv 3 \pmod{5}$となり, $m\equiv 3$のときは$n=2m+1 \equiv 2 \pmod{5}$となります。 $n$が奇数であることを考慮すると$n \equiv 3 \pmod{10}$または$n \equiv 7 \pmod{10}$のときに, またそれらに限り, 合同式$n^{10}+1 \equiv 0 \pmod{10}$が成立することがわかりました。