円周率$\pi$は無理数であることが知られています。 この事実を仮定して次の問に答えてください。
背理法を使って証明します。
1. 背理法で証明するために, $3\pi$が無理数でないことを仮定します。 つまり, $3\pi$が有理数とします。 すると整数$m, n\neq 0$で$3\pi=m/n$となるものが存在します。 両辺を$3$で割ると \[\pi=\frac{m}{3n}\] と書くことができます。 分母$3n\neq 0$と分子$m$は両方整数なので, この式より$\pi$が有理数ということになってしまいます。
しかし, $\pi$は無理数なのでこれは矛盾です。 ゆえに, 最初の仮定「$3\pi$が有理数」が間違っていたことが分かりました。 よって, $3\pi$も無理数であることが証明されました。
2. こちらも同様に背理法で証明します。 $\pi+5$が有理数と仮定します。 すると, 整数$m, n\neq 0$で$\pi + 5 = m/n$となるものが存在します。 この式を変形すると \begin{align*} \pi &= \frac{m}{n} - 5 \\[5pt] &= \frac{m}{n} - \frac{5n}{n}\\[5pt] &=\frac{m-5n}{n} \end{align*} が得られます。
ここで, $m, n \in \Z$であるから分母$n$と分子$m-5n$が両方とも整数であることがわかります。 よって上の$\pi$の式から$\pi$が有理数であることが導かれますが, これは$\pi$が無理数であることに矛盾します。 ゆえに, 最初の仮定「$\pi+5$が有理数」が間違っていたことがわかり, $\pi+5$が無理数であることが示されました。