ソフィー・ジェルマンの恒等式とその応用

問題

(1) 任意の整数$a, b$が次の恒等式を満たすことを証明してください。 \[a^4+4b^4 = (a^2+2ab +2b^2)(a^2-2ab + 2b^2)\]

(2) $b>1$のとき, $a^4+4b^4$は合成数であることを証明してください。

(3) $41^4 + 4^{41}$が素数か合成数であるかを判定してください。

(4) 次の条件を満たす自然数$m$が無限個存在することを証明してください。 条件「任意の自然数$n$に対して$n^4+m$が合成数となる。」

(5) 任意の自然数$n>1$に対して, $n^4 + 4^n$が合成数となることを示してください。


難易度:
素数と合成数の練習問題

解答

(1)の解答

この恒等式を示す方法を2つ紹介します。 右辺を展開して整理すると左辺になることを方法と, 左辺の平方完成を用いて因数分解する方法があります。

直接計算する方法

まずは, 直接右辺を展開して計算する方法で恒等式を示します。 \begin{align*} &(a^2+2ab +2b^2)(a^2-2ab + 2b^2)\\ =\quad & a^4 -2a^3b + 2a^2b^2\\ &+2a^3b - 4a^2b^2 + 4ab^3\\ &+2a^2b^2 - 4ab^3 + 4b^4\\ =\quad & a^4+4b^4 \end{align*} のように右辺を変形し, 左辺を得ました。 よって, 恒等式が正しいことが証明されました。

平方完成を用いる方法

次に, 因数分解の方法でも恒等式を確かめてみましょう。 先ほどの方法と比べて, こちらは恒等式を知らない場合にも恒等式を求めることができる方法です。

平方完成を用いると \begin{align*} a^4+4b^4 &= a^4 + 4a^2b^2 + 4b^4 - 4a^2b^2\\ &=(a^2+2b^2)^2 - (2ab)^2\\ &=(a^2+2b^2+2ab)(a^2+2b^2-2ab) \end{align*} 最後の式が右辺と同じことはすぐわかります。 よって恒等式が示されました。

今証明した恒等式のことをソフィー・ジェルマンの恒等式と言います。 ソフィー・ジェルマン(Sophie Germain 1776-1831)はフランスの数学者でフェルマーの最終定理に関する研究などで数論の発展に大きく貢献しました。

(2)の解答

ソフィー・ジェルマンの恒等式の右辺を平方完成して変形して \[a^4 + 4b^4 = \left( (a+b)^2 + b^2 \right) \left( (a-b)^2 + b^2 \right)\] を得ます。

よって自然数$a^4+4b^4$は2つの数の積で表されています。 その積の因子がどちらも$1$よりも大きければ$a^4+4b^4$が合成数だとわかります。

そしてこれは$b > 1$という仮定と, 各項が二乗されていて非負であることから従います。 よって$a^4+4b^4$が合成数だと証明できました。

(3)の解答

まず, 与えられた数を \begin{align*} 41^4+4^{41} &= 41^4 + 4\cdot (4^{10})^4 \end{align*} のように変形します。

これより, $a=41$, $b=4^{10}$とすると$41^4+4^{41}=a^4+4b^4$の形に書けることがわかります。 ここで$b=4^{10} > 1$であるからパート2より$a^4+4b^4$は合成数だとわかります。 ゆえに, $41^4+4^{41}$は合成数です。

(4)の解答

この問題もまたソフィー・ジェルマンの恒等式の応用です。 ソフィー・ジェルマンの恒等式に形を揃えるために$m=4b^4$ ($b$は$2$以上の自然数)の形の$m$を考えます。

すると, \[n^4+m = n^4 +4b^4\] となり$b >1$なのでパート2より$n^4+m$は合成数です。 $b$として$2$以上の任意の自然数がとれるので$n^4+m$が合成数となる$m$が無限個存在することが証明されました。

(5)の解答

もし自然数$n$が偶数の場合には, $n^4 + 4^n$も偶数かつ$2$よりも大きいので$n^4+4^n$が合成数だとわかります。

そこで, $n$が奇数の場合を考えます。 $n=2m+1$と自然数$m$を使って書きます。 (仮定より$n>1$なので$m\in \N$です。)

このとき \begin{align*} n^4 + 4^n &= n^4 +4^{2m+1}\\ &= n^4 + 4\cdot (2^m)^4 \end{align*} と変形でき$a=n$, $b=2^m$と置くと$a^4+4b^4$の形に書けていることがわかります。

さらに, $b=2^m >1$が成り立っているので, パート2から合成数だとわかります。 ゆえに, $n^4 + 4^n$はすべての自然数$n>1$に対して合成数だと証明されました。

わからないところがあったらテキストを復習しましょう。

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